株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

アットホームと変化のDNA

成功体験がある人には、自分の過去のやり方を否定する・されるというのは
非常に受け入れがたいことなのだろうと思います。

つい先日まで全株主を巻き込んで日本一派手な
親娘ゲンカを演じていた会社も、事の発端は父親が作り上げた
ビジネスモデルを後継者であるお嬢さんが変えようとしたことにあるとか。。

ちなみに、その会社、
私が社会人一年生の時に、損保会社の営業社員として初めて担当したお客様でした。

当時はまだ会員制ビジネスに業態転換する前で、
本社も皇居も望める日比谷通りに面したビルにありました。
丸の内の職場から近かったので、よく通わせていただきました。

創業のエピソードとして教えてもらったお話があります。
もともと創業社長のお父様が腕の良い桐ダンス職人だったそうで、
その父親が作った箪笥を売ろうと思い立ち、
父の自慢の箪笥を軽トラに載せ、あちこち銀行を回っては、
「私の父親の作った桐箪笥は日本一だ。その日本一の箪笥を売るために、
自分は日本一の販売店を作りたいので、設立資金を融資して欲しい」
と説いて回り、融資を引き出して開業したのが今の会社になったというものです。
バイタリティあふれるオーラ全開社長の若かりし頃を想像しながら、ロマンを感じたものでした。

成長期の会社の特徴でしょうが、本社にも若い社員が多く非常に賑やかでしたが、
そんな社内には、和服姿の奥様がいつもおられて、若い社員に何かと話しかけては
アットホームな会社の雰囲気を作っておられました。

あれから二十数年。。
総会での生々しいやり取りもTV番組で流れておりましたが。。。
創業者ご夫婦ともに意気軒昂だという事だけはよく分かりました。
いずれご家族できちんと和解して頂きたいものです。

さて、昨日はその家具屋さんを追い落としたと言われる
別の家具屋さんの取引先向け経営計画発表会にお招きいただきました。
28期連続増収増益、時価総額1兆円という今や流通業を代表する企業に成長した
同社。

たまたま創業者同士は同い年だそうですが、価値観も経営方針も大分違います。
「前例を否定し、常に変化をする」が社内のDNAになっており、
そんな会社の後継者となったのは、身内でもない新卒第一号社員の生え抜き社長。
しかもバトンタッチの際に指示した事が、
「今までのやり方は全て否定しろ」「全て壊してもう一度作り直せ」
ということだそうです。

アットホームと変化のDNA。
どちらも参考にしながらロマンとビジョンを追いかけて行きたいです。

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