株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

リスク管理を怠った者の末路

富山や福井などで病原性大腸菌による集団食中毒事件を起こした、焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の運営会社「フーズ・フォーラス」が、6月末をめどに清算の準備を進めているそうです。 

ニュースでは、現在保有の店舗を全て売却し、他の資産とも合わせて被害者への補償に充てるとのことでした。実際にはPL保険には入っているでしょうから、被害者への補償はある程度保険で賄えるものと思いますが、急激な店舗展開で、借入金もかなりの額になっていると思いますので、営業休止により一気に資金繰りが悪化したものと思います。銀行に見捨てられたという事もあるでしょうが、最後に懸命な判断をしたと思います。

 

本件では、生肉を同店に納入していた食肉加工業者側が本来行うべき処理をせずにえびすに納入していた事から、食中毒そのものの主犯は加工業者側であったようです。 

しかしながら、生肉というリスクが高い食材を扱っていながら業者の言葉を鵜呑みにして、自社でのチェックを怠っていたという点については、えびす側も責任を免れられるものではありません。事件発生直後の社長の開き直り会見も更に大きく傷口を拡げてしまいました。
それにしても、定期的に取引業者のチェックぐらいしておけば良いのに、その程度の事をなぜ怠ったのかと思います。ほんの少しの手間とコストを惜しんだために、何とも痛すぎる代償です。
誰か一人ぐらい社長に諫言できる人はいなかったのでしょうか?
そういう人を置かなかった点も含めて、リスク管理体制が無さ過ぎます。経営には常にリスクがつきもの。リスク感度が低く、対策を怠った経営者には、後で必ず手痛いしっぺ返しが待っています。
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