切磋琢磨

社員数がある程度増えてくると、どうしても人の入れ替わりということが発生します。新しい社員が加わる事もあれば、その逆に辞めていく社員もいます。

先週末で１名社員が退職しました。１年８ヶ月にわたり当社のＷｅｂデザインをやってくれていた人間で、中堅どころのＷｅｂ製作会社からスカウトされ転職して行きました。

彼は大学を出てしばらく飲食業で働いた後、職業訓練学校でＷｅｂデザインの基礎を学んで当社に入ってきました。ちょうど当社もホームページを自前で作り、どうせなら外販したいと思っていた矢先であったので、共に成長できそうな若者を採用しようと考えて、ハローワークへ登録し、彼を紹介されたものです。

現在当社及び関連会社が開設しているＷｅｂサイトの殆どは彼が作ったものですが、初期の頃から最近のものまで見るにつけ、よく短期間でここまで腕を上げたなと思います。当社の様な、Ｗｅｂに関してはド素人が経営している会社のサイトが同業者の目に留まり、熱烈なスカウトを受けるまでになったのは、大したものだと思います。

とはいえ、当社にとっては大変な損失ですし、本音を言えばもうしばらくは残っていて欲しかったです。また、彼自身にとっても、大きなＷｅｂ会社ではないからこそ学べるものもあったはずで、デザイン以外の事ももう少し勉強してもらって、更に一回り大きくなってから出て行って欲しかったなと思います。

経営者というものは身勝手なもので、常に会社の事、社員の事を考え、身を削って「あんな事」「こんな事」を皆にしてあげているつもりでいます。でも、その一方では、自分・或いは会社が社員から受けている「あんな」「こんな」貢献に対して、「応えられていない」事実に気付いていないのかもしれません。（勿論そうでない経営者もたくさんいるのでしょうが。。。）
彼が残していった「作品」をしみじみと見ながらそんな事を思いました。

やがて後任のデザイナーが彼の作ったサイトを一つ一つ自分の形に変えていくと思います。全てのリニューアルが終わる頃には、私と社員の価値観の差も相当に縮まっているよう努力しようと思っています。