株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

独立エージェント

米国にも日本同様に、専属代理店と乗合代理店があります。
専属代理店とは、1つの保険会社の商品だけを扱う代理店のことで、
これは日本でも同じです。

一方、複数保険会社と取引している、日本で言うところの
乗合代理店については、「乗合代理店」とは呼ばず、
「Independent Insurance Agent」すなわち独立保険代理店といいます。

なぜ独立なのか。
それは、保険会社とは業務委託契約を締結しているものの、
日本の保険代理店のように保険会社の指導・管理下にあるわけではなく、
エージェント免許は州からもらい、教育もそのための教材も、
経営に必要なオンラインシステムも全て独自に調達している、
保険会社から完全に独立した事業体だからです。

日本では多くの専業代理店店主は数年間にわたり保険会社の研修生もしくは
直販社員として教育を受けた後に独立した人たちですし、
さらに、代理店システムもほぼ保険会社が提供したシステムを使用しています。
日本は米国のように教育もシステムインフラも充実していませんので、
保険会社に頼らざるを得ないのは致し方ない部分はありますが、
これでは確かに独立代理店とは呼べません。

さらには、日本では顧客獲得のための営業は保険会社の代理で
やっているだけなので、保険契約者に引き続き保険を案内する権利
すなわち「満期更改権」は保険会社にあるものと(保険会社は)定義しています。

※米国でも専属代理店には満期更改権は付与されていません。

ですので、例えば極端な例ですが、
保険会社がある代理店との代理店契約を解除することになった場合、
その代理店が獲得した契約であっても、自社の保険会社の契約者については、
保険会社の一存で別の代理店に担当を変更するといったことができてしまうのです。

当然そんなことをしたらモメることは必至ですが、
物理的には可能だということです。

一方、「満期更改権は独立代理店のもの」とされている米国では、
顧客は代理店のものであり、代理店の了解無しに直接顧客に
コンタクトするすらありえないのです。

今回訪問した代理店に、「保険会社と委託契約を締結する上で
一番重視しているところはどこか?」と聞いてみたところ、
真っ先に「自分たちの独立性が担保された契約内容となっているかどうかだ」
という返答が返ってきました。

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一方、日本は「中立・公平」という単語は明確に使うな!
というお達しがおカミから出る国です。
保険会社の代わりに金融庁が代理店を直接監督する時代になりつつあるのは、
多少は米国に近づいているのかもしれませんが、
規制や監督されるだけなら困ります。

米国のように、全保険会社統一フォーマットの申込書、
充実した多彩な研修や資格制度、
便利かつ安価なCRMやSFAのシステムなど、インフラの整備が本当に望まれます。。。

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