株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

顧客作り組織作り

先日同業者の社長が遊びにきてくれて、色々と意見交換したときのこと。
「売上げが5億から10億の間くらいの会社が一番経営が大変じゃないかなー」
というので、「そうそう。」と妙に納得。

ドラッガーの有名な言葉に、
「事業の目的はマーケティングとイノベーション」とありますが、
これは「顧客をつくる」仕事について言及したもの。

確かにお客様を作ることは重要で、
まずはお客様がいて、売上げをもたらしてくれなければ事業はスタートできないですし、
その後もずっとお客様が増えつづけていく事が事業存続の条件となります。
そのためには、当社のような業態の会社はお客様を増やせる社員を
次々と入れて行かないと会社は成長していきません。

でも顧客作りが得意で、バリバリ数字を稼ぐ人間だけいれば何とかなるのは、
せいぜい社員数が10数名ぐらいまで。
それを超えはじめると「組織をマネジメントする」という仕事が加わってきますが、
零細企業のうちはそんな内部管理のスペシャリストは雇えないから
当然に社長の仕事となります。

もともと起業するような社長はエネルギッシュで、かつ器用な人が多いので
自分で営業やりながら、企業理念を作り、規定やマニュアルを作り、売上げの管理をして、
人の採用や教育もやって、とマルチなスキルを発揮して頑張るのでしょうが、
社員も20人、30人と増えてくると、組織管理のための負担はますます重くなり、
50人を超えると、もう誰かの助けを借りないと社長一人ではどうにもならなくなります。
それがちょうど売り上げ5億から10億くらいの間だということです。

先日会った社長の会社も、当社もどちらもそんな時期にさしかかっており、
頭の中は常に組織的課題だらけだから、自ずとそのような話になったのでしょう。

一般的に営業会社のトップは、ほぼ間違いなく営業出身でしょうから、
自身が営業をするという事については全く苦になりません。
むしろお客さんと話している時が一番楽しいし、毎日それだけやっていたいくらい。

一方で組織を作り、マネジメントする仕事というのは、実に面倒くさいのです。
毎日毎日色々な社員と話をし、一から十まで指示をして、愚痴を聞き、ルールを作り、
売上げを管理し、キャッシュフローを見て、事業計画を作り、・・・というのは
本当に面倒くさい。
だからこれ以上会社を大きくしたいと思うなら、
顧客作りができる人間とは別に専門職を雇わなければなりません。

でもそうなると、その分の人件費を捻出しなければならないので結構大変です。
営業の連中からすれば理解できない採用活動をし、
理解されない給料のもらい方をする人材を雇わなければなりません。
その分のコストを捻出するため売上げも増やさなければならないし、
外部から入ってきた人間を社内に融和させなければならないのは骨が折れます。

せいぜい20人くらいの規模に後戻りできたらどんなに楽か
なんて思うのもそれくらいの規模かも。
でも今更それもできないから前に進むしかないのです。。
となれば、さっさとデスゾーンから抜け出す事に限る。
最後はそんなことで意見の一致をみたのでした。

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