株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

もっと高い参入障壁を!

保険業界は今月末からいよいよ改正保険業法に沿った運用が始まりました。
他社も同様と思いますが、
当社でも担当者が膨大な時間をかけて作り上げたマニュアルや各種規定に沿って、
今週より運用フローの実践を始めました。

一時は
「乗合代理店は委託のある全ての保険会社商品を同時に顧客に提案しなければならない」
「複数拠点を持つ場合は、どの店舗の社員も、全く同じ内容(保険会社、商品)の提案ができないといけない」
「金融庁検査で体制不備を指摘されたら、即取り潰しになる可能性もある」
などという話が流布されていましたが、
その後の金融庁による全国の中小保険代理店への実態調査を経て、
運用については、かなり現実的なレベルに修正されたようです。

仮に整備が遅れていたとしても、大切なのは真摯に改善努力を続けることであり、
検査で不備が指摘されても「一発退場はない」(金融庁OBの方のセミナー談話)
ということなので、過度に恐れずに今後も淡々と体制を整えて行きたいと思っています。

それにしても、最近話題となっている「手数料開示」の問題も含め、
保険業界に対しては当局による規制が強まり、逆風下にある印象があります。
そもそも、一部の保険代理店が「公平・中立」などとうたっておきながら、
実際には、顧客の意向に合うことよりも販売手数料率が高い保険会社商品を
優先的に販売し、それら一部の代理店に至れり尽くせりのインセンティブを
支払っているている保険会社があるという事実が発端となっているそうなので、
規制すべきターゲットは明確になっているような気がしますが、
そうした事とは無縁の代理店も含めて一斉に引き締めを受けている感じです。

三菱自動車の燃費不正表示問題のニュースでも思う事ですが、
行政側で規制をかけ監督を強化しないと、
公正な販売環境が守られないというのはなんと情けない事か。

常々思っていることですが、日本の限られたマーケットに対して、
明らかに保険代理店や募集人が多すぎます。
ただでさえ多いのに、さらに異業種が続々と参入し、
保険会社がさらにそれを煽ってますます販売の質を下げ、
マーケットの秩序を乱しているように思います。

募集人の質を上げるのであれば、
募集人資格を国家試験に格上げし、難易度をもっともっと高めて、
最低300時間くらい勉強しないと合格できない様にするべきです。
また代理店についても、個人代理店は認めず、法人代理店のみ登録ができるようにし、
さらに、最低資本金額を定め、資本力がない代理店は営業できない様にしてしまえばいいと思います。
そうすれば、本気でこのビジネスに取り組む意欲がある代理店だけ残るでしょうし、
消費者に対して真に役に立つ、もっとクリーンなイメージの業界になるのではないかと思います。

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