株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

問題&課題

いよいよ今月末から実際の企業に赴いての診断実習が始まります。その為、その予行演習として、今週は事例を用いての模擬実習を行っています。
埼玉県にある実在のドラッグストアを題材に、様々な角度から現状分析を行い、課題を見つけ、改善提案をするというものです。あくまでも予行演習ではありますが、本番さながらに「分析→課題の抽出→改善提案書作成→報告会開催」と言ったプロセスを4日間で行います。結構なボリュームをタイトな時間内にやらなければならないという切迫感と、ここで診断のプロセスをしっかり習得しておかないと本番で大変な目に遭いそうだうという緊張感から、模擬演習とはいえ、皆真剣に取り組んでいます。

なお、診断のプロセスで一番重要かつ手間が掛かるのは、様々なデータから問題を洗い出して課題を設定する作業です。ここでモレや抽出誤りがあると、改善提案の方向性が変わってきてしまいますし、修正の為に前のプロセスに戻ろうとすれば膨大な時間をロスしますので、地味で根気が要る作業ながらきちんとやらなければなりません。

ところで、その作業の課程では「問題」「課題」といった言葉を頻繁に使うのですが、その違いは分りますか?
日常会話ではよく同義語として使われていると思いますし、私も診断士の勉強をするまでは混同しておりましたが、コンサルティングの世界では明確に区分され、「問題」とは、「あるべき姿と現実とのギャップ」の事、「課題」とは「そのギャップの発生原因を解消するために必要な事柄」と使い分ける事になっています。

「問題」は、今起きている事象そのものなので、発見するのは容易です。一方「課題」は問題が起きた真の原因がわからないと導き出せませんので、とても難しく、見つける側の個人の能力差が出る部分です。
例えば、ある会社において「若手社員は挨拶をきちんとできない」と言う事が問題だったとします。本来は若手社員は元気に挨拶する事があるべき姿だと思っている上司や経営者には、それが問題となるわけです。で、それらの人達はなぜ若手社員がちゃんと挨拶しないのか、その原因を一生懸命考え、最終的に、「若手社員に対するしつけができていないからだ」と結論づけたとします。そうなると、その人の課題は、「若手社員に厳しくしつけを行い、きちんと挨拶できるようにする事」になります。

ところが、実はその若手社員も、入社直後はきちんと挨拶していた訳です。しかしながら、いくら一生懸命挨拶しても、挨拶された方の上司や周りのベテラン社員が、きちんと挨拶を返さないので、途中で馬鹿らしくなって挨拶するのが嫌になった、と言う事が真の原因だったとすると、課題は「ベテラン社員が若手の模範となるように率先して挨拶ができるようにする事」となり、改善の方向性は全く変わってきます。

問題がおきた時、その原因の深堀りをせず、つい目先の対処療法に走ってしまいがちですが、その前に、「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」を繰り返して原因を深堀し、「真因」を見つけ出した上で課題をきちんと設定する事が重要です。でければ、しばらく経ってから似たような問題が再び起こる事になり、結局は改善に結びつかないからです。
現場の管理職の仕事の大半は、日々起こる問題への対処だと思いますが、問題解決にあたっては、常に「問題がおきた真の原因は何か」、「解決するための課題は何か」という発想で取り組みたいものです。

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