2005年11月に会社を創業してから、今年で20周年を迎えました。
過去を振り返り懐かしむことが増えたらベンチャー経営者としては失格かもしれませんが、節目でもあるので簡単に振り返ってみたいと思います。
当グループには複数の会社があり、かつ途中でM&Aした会社もあるので、いつを創業の起点とするかについてはやや説明が必要となります。
私にとっては、2005年11月に自身で創業した旧バリュー・エージェント(現在のValue Financial Holdings(株)の歴史が一番自身の経営者としての歴史と重なるところではありますが、実際には売上の大半を占めているのは、中核事業会社である株式会社バリュー・エージェントであり、対顧客上は、新:バリュー・エージェントの方を全面に出すようにしています。
ちなみに、同社は1973年設立の(株)神奈川保険グループを前身としており、2018年の業務資本提携を経て当グループ傘下となりました。その後、2020年の事業統合を経て(株)バリュー・エージェントとなり、2023年には創立50周年を迎えています。
M&Aによって、親会社よりも長い歴史を持つ会社がグループに加わることは決して珍しい事ではありませんが、当社にとってもこのM&Aにより二つの歴史が重なり合って、現在のグループが形づくられています。
私は東京海上日動に13年勤務したのち、36歳のときに退職しました。当時の東京海上日動社では退職する社員は少なく、まして保険代理店を立ち上げて独立する例はほとんどありませんでした。実際、退職後もしばらくの間、「なぜ辞めたのか」と尋ねられることがよくありました。
元々は実家の家業を継ぐつもりでいましたが、諸事情により退職後にその話がなくなり、急きょ小さなコンサルティング会社へ転職することになりました。結果として、その環境が自分にとって大きな転機となったのです。

当時も1Fにカレー屋があった。
そのコンサル会社にて保険業界の調査研究の業務に関わる中で、さまざまな保険代理店の事業モデルを知る機会を得ました。当時は、来店型保険ショップやインターネットを利用した保険のリテールビジネスが立ち上がり始めた勃興期でもあり、従来の保険流通モデルが変わっていく予感に満ちた時代でした。それまで保険会社の目線では全く魅力的ではなかった業界に、大きなワクワク感を感じたことを覚えています。
でも、いざ「代理店をやりたい」と考えたところで、顧客も実績もない人間に簡単に代理店をやらせてくれる状況ではなく、再び門戸を叩いた東京海上日動社にも当初は冷たくあしらわれてしまいました。最後は元上司に口添えをしてもらったうえで、一定の数字のコミットと引き換えに、ようやく代理店としてのスタートを切れたのが2006年1月のことでした。
創業当初は当然ながら顧客ゼロでしたので、毎日朝から晩までテレアポを続け、まずは話を聞いていただくところから始めました。保険の営業だけでは生活が成り立たないため、クレジットカード端末の営業や印刷物の企画など、収益につながることは何でも手がけました。
その頃、熱心に読んでいた本が「青年社長」と「渋谷で働く社長の告白」でした。いずれも著名経営者の自伝で、ハードワークの価値観が色濃く描かれた内容です。働き方に対する考え方が大きく変わった今の時代には、そのまま通用しない部分もあるでしょう。それでも、休みを取る余裕すらなかった当時の自分を奮い立たせるには、十分すぎるほどの力がありました。
事業面では、創業から数年の段階で多角化の方向へ舵を切りました。2007年にワランティ(保証)事業を開始し、翌2008年にはSBIモーゲージの代理店として住宅ローン事業をスタートしています。保険と住宅ローンは顧客層や相談テーマが近く、事業モデルとしても相乗効果が見込めると考えたことが背景にありました。

まだ看板が出来上がっておらず、ビニール製のシートで代用。
実際、住宅ローンショップの出店を含む取り組みは、その後のグループの柱の一つへと育っていきました。保険に軸足を置きながらも周辺領域を積み上げていく現在の姿は、この時期の判断に起点があると思っています。今になってようやく、当時の選択について「先見性があったね」と言っていただく機会も増えました。
日本でも、保険代理店の社会的な位置づけや評価は、この20年で確実に高まってきたように感じます。代理店が保険会社の単なる下請け販売チャネルではなく、顧客の意思決定を支える専門職として期待される場面が広がっていることは、業界全体にとって前向きな変化だと思います。
アメリカでは、保険会社と代理店・ブローカーの間で人事交流が活発で、保険会社の社員が代理店側に転身することも比較的一般的です。日本でも今後、保険会社で培った知見や倫理観、業務品質を持つ人材が、より自然に代理店へ移る流れが増えてよいと考えています。それは代理店の品質向上に資するだけでなく、結果として業界全体の信頼やサービス水準を底上げすることにつながるはずです。
振り返れば苦労は多かったはずですが、それ以上に、新しいことを形にしていく面白さや、事業が前に進む感覚のほうが大きく、結果として20年は本当にあっという間でした。
ここまで歩んでこられたのは、お客様、取引先の皆さま、そして一緒に取り組んできた仲間の支えがあったからにほかなりません。これからもワクワクする方向を見失わずに、さらに充実した20年を積み重ねていきたいと思います。20年分の感謝を、次の挑戦へつなげます。
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