株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

学習する組織

診断士養成課程に入校して良かったと思えるのは、講師が皆現役のコンサルタントである事です。座学においても、実際の顧問先企業の事例を聞くことができるので非常に参考になります。

昨日の講義では大阪の金属加工メーカーの話が印象的でした。
たった5人の営業マンで年商40億の売上を挙げているとのこと。秘訣は徹底したナレッジマネジメントだそうです。
名刺の出し方、受け取り方、身だしなみ基準、アポイントのとり方といった、ビジネスマナーから始まり、見積書の作り方、顧客ごとのカタログや新製品の企画書、不良に関するデータ、更には自社のドメイン、市場分析結果、会社づくりの手引きと言った事まで、
全てナレッジとして電子文書化されているそうです。更には、それが、社員のPC上のデスクトップにあり、毎月1回必ず全てに目を通して、ファイルに追記・修正を行う事が義務化されているとの事でした。

大手企業は勿論、中小企業にもマニュアルらしきものはそれなりにあります。ただし、大抵はそれらが分散して保管され、社員の目に触れにくい場所にあることと、使い手と作り手が別々であり、現場の人が「これは違うな」「ここは変わったな」と思っても、自分は読む人であり、作る人ではないと思っているから指摘もしないし、勿論自ら修正しようと思わない。日々現場では新たな「気付き」があるはずなのに、それが新たなナレッジとして上書きされていかず、生きたマニュアルになっていないのが現状です。だから組織として成長していかない。
当社にもバリュー・ルールと称したマニュアルがありますが、私一人で作って配布した物なので、誰もそれに対して意見を言わないし、誤字脱字があっても誰からも指摘がない。つまり真剣には読まれておらず、日々の気づきも反映されていないということです。

業績の向上と社員の能力開発とを同時に実現する企業のことを学習する組織といいます。学習する組織といっても勉強好きな人が集まっているという事ではなく、現場で実際のビジネスに生かせることが日々蓄積され、共有化され、個々もレベルアップするし、さらにそれが組織全体のレベルアップに繋がっている組織の事です。VA、VLS、CYGそれぞれを学習する組織に変えていきたいと思います。

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