株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

金利の怖い話

現在入居している寮の部屋にはテレビもラジオも無く、情報の入手先がせいぜいインターネットか新聞に限られているので、世間の情勢にはつい疎くなってしまいますが、それでも景気の動向はマメにチェックするようにしています。
特に、住宅ローン事業を営んでいることもあり、金利の動向はとても気になるところです。
本日も、ギリシャ、アイルランドに続く、ポルトガルへの財政危機に関する記事を目にしました。ヨーロッパ中心に、金融危機が連鎖していく状況は空恐ろしいものがあります。
どの国も放漫経営のツケで累積債務が溜まり、何とか国債の発行で穴埋めしていたものの、格付け機関に国債の格付けを下げられた事をきっかけに金融危機が表面化、それまで投資していた資金が一気に引き上げられて財政危機に陥る、という点が共通しています。
危機に陥った国の国債は、利回りを高くしないと売れません。そして、国債の利回りは長期金利に影響しますので、その国の長期金利は上がります。同時に通貨の価値は下落するので、インフレになります。
住宅ローンの金利は上がる、物価は一気に高くなるで、国民の生活にとって何もいいことはありませんからデモや暴動が起る事になります。

日本の今の状況も、対岸の火事と思って静観していられる状況じゃありません。
世界中を見渡しても、日本ほど大量の国債を発行している国は無いと言います。
国の累積債務はGDPの倍以上あり、既に破綻状況にあるという人もいますが、それでも危機が表面化しないのは、日本の場合は、1400兆とも言われる個人の金融資産があり、それらを預かる銀行などの金融機関が主な国債の買い手となり、下支えしているからです。つまり、貯金という行為を通して日本国民がせっせと国債を購入することで、国にお金を貸し付けているというわけです。
しかし、少子化に伴って人口は減り始めていますし、今後毎年40万人ずつ労働人口が減っていくと言われる中で、いつまでもこのやり方が続くわけがありません。
それを見越した、どこかの格付け機関がいきなり格付けを下げたりしたらどうなるのか。
国債価格が暴落すれば、間違いなく長期金利は上昇します。それも一気に。
そうなれば、今住宅ローンを借りている人たちはどうなるでしょうか?
人の命や健康が阻害されるリスク、それから大切なマイホームを事故などで失うリスクに対しては、「保険」があります。一方、金利上昇のリスクに対しては「保険」はありません。これからローンを組む人は、絶対に変動金利型を選択してはいけないと思います。また、金融資産の分散投資も必須と思います。リスクに対する備えをしっかりしておく必要がありますね。ファイナンシャルプランニングの知識はますます求められると思います。。

  • Delicious
  • Facebook
  • Reddit
  • StumbleUpon
  • Twitter
  • RSS Feed

コメントを残す

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.