「人を動かす」と言えば、D.カーネギーが書いた世界で900万部以上売れたというベストセラー本であり、ビジネスマン必読の名著として有名ですね。
私も社会人になりたての頃、親戚にこの本を贈られて一度だけ読んだ事があります。
しかしながら、当時、まだ身の程知らずの青二才だった私には、人情の機微というものが分からず、「人の誤りを指摘してはいけない」「議論してはならない」「批判してもいけない」という教えが受け入れられ無かったため、「何だこんな本」と思って半分も読まずにBook offで売ってしまいました。
ところが最近、ふとしたきっかけで、再び手に取る事があり、改めて読んでみると、何と考えさせられる言葉ばかりなのかと、非常に共感できる内容であることに驚きました。20年近く前の自分の至らなさを恥じるとともに、多少は会社の経営を通じて人というものが少しずつ分かってきたのかなと思います。
今、診断士養成過程で色々な会社の診断業務を行っており、企業の問題点の改善や、新規事業戦略の立案などを提案しようとしておりますが、どれだけ立派な改善案や戦略を立案したとしても、それを実行するのは人間であり、一人一人がきちんと動くしくみがないと「絵に描いた餅」で終わる事になります。
新たな施策の実行の前に、「人を動かす」「人が動く」組織風土が作られなければなりません。しかしながら、これは非常に難しい事であり、戦略を練るのは得意なコンサルタントでも、組織作りを指導できない人がたくさんいるのが現実でもあります。
詳細はまた別の機会に書きたいと思いますが、経営システムがない中小企業に、人が動く組織をいかに作りあげていくか。。。それは組織を作った事のある人間じゃないと出来ない仕事です。何となくではありますが、将来の自分の専門分野が少し見えてきた気がしています。
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