株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

北海道地震の教訓

9月6日未明に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震。
その前日の台風とも合わせて、これまで北海道は台風や地震等の自然災害が少ない地域と言われていただけに、北海道民を震撼させました。

運悪く、ちょうど5日の朝から札幌出張に出かけていた私ともう一名の社員もこの地震に巻き込まれ、6日に帰京する予定だったのが空港閉鎖で帰ることができなくなり、プラス2日間滞在を余儀なくされるという体験をしました。

帰京が遅れたことで重要なアポイントをいくつもキャンセルすることになり、色々な方にご迷惑をおかけしてしまいましたが、その分多くの教訓を得られました。今後首都圏でもかなり高い確率で大きな地震が発生すると言われていますが、それに備えるために今回の経験は生きてくると思います。

ちなみに、以下は地震の翌日に当社の社員に対してメールにて非常時の備えについて送った内容です。
少々長いですが、万一の際の備えの一助になれば幸いです。

<大地震が起きたら必要な事>
1.寝る場所の確保
幸いにも我々が泊まったホテルは地盤が硬い地区だったようで、付近の建物も含めて全く損傷はありませんでした。宿泊については、当初は1泊の予定だったのですが、フロントで粘って交渉したら2泊目、3泊目もそのまま泊まらせてくれたので、停電下ではありましたが暖かい布団で寝られたのは幸運でした。
一方で、既にチェックアウトして(させられて?)しまった人たち(特に日本語に不自由な外国人旅行者の方々)は、全ての交通機関がストップしている状況下でどこにも行くことができず、JR札幌駅の構内等で野宿する羽目になったり大変だったようです。もしこれが真冬だったら命に関わります。万一の際、どこに避難すればよいか予め確認しておき、いざとなった時に、「安全なねぐら」をいち早く確保することは重要と思います。

2.水の確保
よく言われることですが、大きな揺れが去ったら、まずバスタブやバケツなどに水を溜めろといいます。地震後に停電になると、ビルやマンションではポンプが動かなくなり、水が出なくなるからです。 戸建住宅でもどこかで水道管が破裂すると徐々に水圧が下がってやがて断水となります。となれば瞬時に生活用水に困ってしまいます。
特にトイレ問題は深刻です。 私が泊まったホテルでは、最後まで断水はありませんでしたが、ウォシュレットでボタンを押すと水が流れる仕様だったので停電と同時に部屋のトイレが流せなくなりました。 念のため、揺れが去った後すぐにバスタブに水を大量に溜めておいたので、トイレ使用後は毎回その水をゴミ箱ですくっては流すことで問題なく使えました。
他にも顔や身体を洗ったり、衣類を洗濯したりと水はとにかく使います。大きな揺れがあったら即座に溜められるだけ水を溜める。鉄則です。

3.懐中電灯
当たり前ですが、地域一体が停電になったら夜は真っ暗です。窓が無い部屋、窓から遠い部屋は明かりが無いと何も見えません。付近に割れた食器やガラスの破片が散乱していたら大ケガにも繋がります。
とはいえ、スマホの電力は少しでも節約したいので電灯代わりに頻繁に使うわけにはいきません。
我々はたまたま昼間ホテル近くに小さな釣具屋があるのを見つけ、そこで小型のLEDランプをゲットできました。ホテルではこれが大活躍。停電復旧が予想以上に長引いたので買っておいてよかったと心底思いました。なお、ローソクは火災の危険があり、おすすめ出来ません。

4.モバイル電源の確保
常にスマホと携帯があり、いつでも誰かと連絡が取れ、ネットの情報が得られる生活に慣れると、緊急時にモバイル環境が整わない事の不便さ・不安さは想像を絶します。夜、停電下のホテルで一人で過ごす真っ暗な闇の中では、家族や知人からスマホに送られてくるLineやが唯一の情報でしたし、心の安定剤でした。もし、それすら無いとなると・・・想像できますか?
私が泊まったホテルはフロントに非常電源があり、宿泊者には気軽に充電させてくれたので、バッテリー切れの心配はそれ程大きくなかったですが、通常の住宅では非常電源などないでしょうから多くの市民がモバイル電源の確保で困ったと思います。
実際、コンビにでは食料よりもモバイルバッテリーの方が先に売り切れていましたし、市民にモバイル充電できることを呼びかけていた札幌市役所には人が溢れ、まるで難民キャンプのようでした。
いざと言うときに備えてモバイル用の充電バッテリー等は複数あった方が良いと思います。また欲を言えば家庭用蓄電池や発電機なども検討の余地はあると思います。

5.飲料水、食料、携帯コンロの備蓄
これは改めて言うまでも無いかもしれません。市街地では至るところにコンビニがありますが、おにぎりや弁当、カップラーメンなどはあっという間に売り切れます。各自が最低限の備えは必要です。
ただ、気がつくと食料として買ったのは、パンやカップ麺など炭水化物だらけ・・・。途中で思い直してサバ缶やシーチキンなども買い足しました。どこへ行くにも徒歩だったり、エレベータが止まっているため、階段を何往復もしたりして非常時には結構体力を使います。たんぱく質の摂取も重要だと思います。
さらに、9月の札幌は朝晩けっこう冷えます。ホテルで朝と夜に軽食とともに暖かい味噌汁やスープを提供してくれたのは本当に有難かったです(涙)。 カップラーメンをやインスタント味噌汁などを備えていても、お湯を沸かす手段が無いと意味がないので、卓上コンロとガスボンベ等は用意できるなら用意しておいたほうが良いでしょう。 高いものではないので、会社にも一式備えておこうと強く思いました。

6.現金
これは実際にびっくりしましたが、セブンイレブンはレジに蓄電池が備えられているのか、停電中でもレジは機能し、バーコードで商品タグを読み取り、普通にnanacoカードも使用できました。でも、それ以外のコンビニは、レジシステムが停電で機能しないので、商品の一つ一つの値段を(店によっては商品棚に見に行って)確認しながら電卓で計算して対応していました。こうした店は現金しか受け付けず、さらには「つり銭が無いから・・・」とお釣りをくれない店もありました。
電子通貨は非常時には全く役に立ちません。最低限の現金は財布に入れておかないとだめですね。
※ただし、都銀の支店にあるATMは停電下でもお金はおろせました。コンビニや郵便局のATMはダメです。

7.ガソリン
地方では食料同様にガソリン確保も重要です。あっという間に売り切れますし、そうでないところもものすごい行列で、何時間も並んで10リットル買うのがやっとという状況です。
車があれば、寝る場所にもなるし、暖を取る、ラジオやテレビで情報を得る、シガレットソケットからスマホ用電源を取るなどいろいろなことができます。マイカーがある人は、日頃からガソリンはこまめに給油し、常に一定量以上入れておくことがいざと言うときにものすごく役に立ちます。

その他、医療品とか衛生用品とか人によって色々とあると思います。 繰り返しますが、いつ災害がくるかは読めないので、日頃の備えが重要です。

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