株式会社バリュー・エージェント代表のブログです。

2023年を振り返る

早いもので2023年もいよいよ大晦日を迎えました。
1年の業務を全てやり終え、自宅の片付けもあらかた終えて、比較的落ち着いた気分で本日このブログを書いております。

今年は当社にとって、大きな変化と拡大を遂げた年でした。
4月の仙台、千葉への出店を皮切りに、宮崎や長崎、北九州など11の支店を新設しました。その内訳は住宅ローン専用支店が3つ、IFA専用支店1つ、そして損害保険を中心とする支店が7つです。いずれも代理店の合流によるもの。私自身の備忘も兼ねて、エピソードを振り返ってみたいと思います。

1.住宅ローン専用支店の増加
今年、特に注目すべきは住宅ローン専用支店の増加です。これまでにフラット35のみを扱っていた代理店が、新たに銀行代理業も手がけるために当社との糾合を希望し合流しました。なぜ、急にフラット35代理店が合流してきたのか。それには「金利」が大きく影響しています。

※住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」結果を引用し当社にて加工。

上のグラフは、過去10年間の住宅ローンのタイプ別の利用比率を示したものです。2013年には「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型」のいずれも約1/3ずつだったのが、2023年には7割以上が変動型ローンを利用するようになっています。フラット35に代表される全期間固定型ローンと変動金利ローンとの差が拡大し、低金利のローンを選択する人が増えた結果、全期間固定型を選択する人は1割にも満たなくなりました。

同時にこの10年でフラット35を専門に取り扱うモーゲージバンクとその代理店が急増し、限られた市場で競争が激化したことも代理店の経営を圧迫する原因となりました。

当社もかつては、フラット35最大手のアルヒの代理店として首都圏を中心に5店舗運営を行なっていた時期もありましたが、現在では沼津店のみ残して他は銀行代理業にシフトしております。

金利環境次第ではありますが今後もフラット35の専業代理店の苦境は続くものと思われます。

2.IFA専用支店の誕生
同様に、IFA事業の展開、特に楽天証券を扱いたいという理由で合流してきた代理店もありました。

新NISAなどの投資商品の需要が高まる中で、クライアントも保険だけでなく、投資に関するアドバイスや商品にも興味を持つようになっています。

IFAのライセンスを持つことで、代理店はこれらの多様なニーズに対応できるポジションになり、保険商品と投資商品のクロスセリングが可能になります。

これにより、クライアントにより多くの金融商品を提供でき、収益の多様化が期待されます。同時に、包括的なライフプランを提案によりクライアントと長期的な信頼関係を築くチャンスが広がりますので、保険代理店がIFAを目指すのは自然の流れと言えます。

一方で、単独でIFA登録をするのは容易ではありません。財務局からIFAの許可を得るのに現在では1年近くかかると聞いておりますし、また証券会社もどこにでも代理店をやらせてくれる訳ではありません。特に楽天証券はIFA希望者からの人気は高い一方でハードルが極めて高く、代理店になるのは至難の業と言われています。

IFA登録を希望する保険代理店は年々増えている一方で、証券会社側にIFA部門の要員はそれほど多くは存在しておらず、今後も証券会社としては「厳選しながら」IFA事業者を増やしていく方針と聞いておりますので、自社登録を諦めた代理店の合流ケースが今後も増えるかもしれません。

3.大型専属代理店の合流
保険代理店の中では、特に大型の損害保険代理店が当社に合流しました。この中には、東海日動や損保ジャパン内では地域のリーダー的存在だった専属代理店も含まれており、手数料ポイントでは最高ランクをもらっているのにあえて合流してきたことに少々驚きでした。

背景としては一社専属ではいよいよ生き残りが難しい時代になりつつあるとの判断があります。自然災害の多発により年々火災保険料は値上げされており、更新の際に相見積もりを求められるケースが増えてますし、ビッグモーター問題やカルテル問題等の不祥事で、特定の保険会社に対する顧客離れも起きています。これまで以上に専属代理店でいることのリスクを感じるようになっているのです。

それに加えて、元々くすぶっていた所属保険会社に対する不満等も影響しています。保険会社の一存で一方的に手数料率を引き下げる事ができる契約内容であるにも関わらず、経営に関する助言やサポートが全く得られないことに対する不満があり、保険会社に期待しても無理なのであれば、そうしたサポートが充実している広域代理店に所属し自ら経営力を高めていかなければ、いずれジリ貧になってしまうという意識も働いているようです。

来年も1月1日に新たに大阪南支店が誕生しますが、それほど宣伝もしていないにも関わらず合流希望の代理店さんが増えており、今年並みか、もしくはそれ以上に支店開設が増えそうです。多く仲間が増えるのはとても有り難いこと。来年も希望に満ちた年となるように仲間と共に切磋琢磨をしていきたいと思っております。

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